教育委員会アンケート結果 ◆仮説,◇検証
アンケート実施時期 依頼日   平成22年11月12日
回答期日 平成22年12月9日
アンケート対象 宮城県内 市町村教育委員会(37市町村)
回収率
回答 23 62.2%
未回答 14 37.8%
2-① 「学校財務取扱要綱(規程等)」はありますか
制定している 0 0.0%
検討中である 2 8.7%
制定の予定もない 21 91.3%
2-② 「学校財務取扱要綱(規程等)」に財務(予算)委員会の規程はありますか
規定している 0 0.0%
規定していない 5 100.0%
◆学校財務取扱要綱の整備は進んでいないのではないか。また,要綱の整備が進んでいないと思われるので,予算委員会についても規定されていないのではないか。
 ・制定している    0%
 ・検討中である 8.7%
 ・予算委員会の規程がない 100%
◇結果は考えていたとおり,学校財務に関する法整備は進んでいない。財務要綱がなければ,予算委員会の規程もない状況である。
 そもそも義務教育諸学校の予算に関わる法律は、日本国憲法第26条2項に「すべての国民は、法律の定めとするところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」、
教育基本法第16条では「教育は不当な支配に服することなく、この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方自治体との適切な役割分担および相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。」
そして同法第16条第4項では「国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない。」の規定条項があります。
 このように義務教育費の無償を実現するための法整備が一見なされているにも関わらず、国及び地方公共団体の財政状況と義務教育行政に対する財政措置への関心度が低いせいか、義務教育費の無償は一向に実現していません。
 義務教育諸学校に適切な予算措置が講じられるためには、国の機関はもとより、設置者である自治体と市町村教育委員会と学校が協力・協調・協働することが必要です。
また、適切な事務処理体制を構築するためにも学校財務取扱要綱の整備が急がれるところです。
   すでに一部の自治体で制定されている学校財務取扱要綱は、事務処理に関する事柄が中心です。 
要綱には次の4点が必要と考えます。
 (1)市町村教育委員会と学校が連携し、義務教育費無償の原則を担保する条項
 (2)適正な事務処理を行うための取り扱いに関する条項
 (3)物品管理者や物品出納員などの職指定の条項
 (4)学校に裁量を与えるための校長専決権と学校裁量予算の条項
2-③ 物品管理者の指定はありますか
指定している 7 30.4%
指定していない 16 69.6%
  物品出納員、分任出納員、出納補助員の指定 はありますか
指定している 5 21.7%
指定していない 18 78.3%
◆物品管理者,物品出納員等の指定は,そう多くはないだろう。
 ・物品管理者を指定している   30.4%
 ・物品出納員等を指定している 21.7%
◇物品管理者等の指定も進展していない。物品管理者の必要性を感じていないのではないだろうか。明確な根拠のないところで仕事をしている状況は,改善していくことを考える必要があるのではないか。
2-④ 校長の決裁権限で決裁限度額は
消耗品費
なし 10 47.6%
~50,000円 1 4.8%
~100,000円 4 19.0%
~300,000円 3 14.3%
300,001円~ 3 14.3%
修繕費
なし 10 47.6%
~50,000円 1 4.8%
~100,000円 4 19.0%
~300,000円 3 14.3%
300,001円~ 3 14.3%
備品購入費
なし 12 57.1%
~50,000円 1 4.8%
~100,000円 3 14.3%
~300,000円 3 14.3%
300,001円~ 2 9.5%
◆市町村合併で条件の低い方に合わせた自治体が多いと聞いているので,低い額が多くなるであろう。
 ・~50,000円   4.8%
 ・300,001円~ 14.3%
 ・なし       47.6%
◇政令指定都市では規模がある程度あるものの,市町村の財政規模に左右される。校長に決裁権限がないところも割合が高い。
3-① 学校配当予算の配当額決定について (複数回答可)
学校割・学校規模割等 17 34.7%
前年度の実績 13 26.5%
学校からの要求・査定等 18 36.7%
学校への配当はない 0 0.0%
その他 1 2.0%
・予算の執行は各学校と連絡を取り合いながら教育委員会事務局の担当課が行っている。
◆教育費削減の流れが続いているので,前年度実績と学校割・学校規模割が多いだろう。
 ・学校割・学校規模割   34.7%
 ・前年度からの実績    26.5%
 ・学校からの要求,査定 36.7%
◇予想通り学校割,学校規模割の割合が高い。
3-② 予算編成等の時期について
要求時期 (学校 → 教育委員会)
10月 3 13.0%
11月 11 47.8%
12月 8 34.8%
1月 1 4.3%
内示時期 (教育委員会 → 学校)
12月 1 4.3%
1月 6 26.1%
2月 4 17.4%
3月 7 30.4%
4月 1 4.3%
なし 4 17.4%
配当時期 (教育委員会 → 学校)
3月 1 4.3%
4月 22 95.7%
◆市町村の当初予算編成に合わせたものになるであろう。
 ・要求時期 11月 47.8%
 ・内示時期  3月 30.4%
◇内示は,財政課から各支部局に内示されている月を回答している市町村もある。(学校へは明示していない)
4-① 財務端末の学校配置の有無
配置している 12 52.2%
配置していない 11 47.8%
  H18年度 H22年度
51.6% 52.2%
48.4% 47.8%
◆財政状況の好転が見られない以上,配置数は増加していないだろう。
 ・配置している H18年度 51.6%
 ・配置している H22年度 52.2%
◇ほとんど変わりはない。
配当している款項目節
需用費 19
役務費 19
備品購入費 16
修繕料 19
◆財政状況が好転していない以上,進展していないだろう。
 ・備品購入費を配当している 16市町村
◇財政状況から,備品は市町村で一括で発注,購入をするところもある。
4-② 校長の決裁で学校配当予算の節間流用を認めていますか
認めている 5 21.7%
検討中である 0 0.0%
検討もしていない 14 60.9%
その他 4 17.4%
・但し、事前に教育委員会の承認が必要
・教育委員会を経由して財政担当部署の決裁を受ける。
・校長決裁は認めていないが、教育委員会事務局担当へ連絡をもらい、必要に応じて協議する。
・校長の決裁後、教育総務課長が最終決裁者としている
・やむを得ない場合に限る
  H18年度 H22年度
認めている 22.6% 21.7%
検討中である 0.0% 0.0%
認めていない 77.4% 60.9%
その他 0.0% 17.4%
◆進展していないだろう。
 ・認めている 21.7%
 ・その他    17.4%
◇校長決裁は認めていないが,教育委員会の決裁により節間流用を認めるところも出てきた。
 18年度の調査では,条件付きで認めるといった「その他」の回答欄がなかったため,数値にずれが生じてしまった。
4-③ 配当予算において,学校への「資金前渡制度」がありますか
導入している 17 73.9%
検討中である 0 0.0%
導入の予定もない 6 26.1%
その他 0 0.0%
資金前渡を行っている主な品目
 ・切手
 ・講師謝礼
 ・修学旅行,校外学習に係る施設入場料,見学料,高速道路料金
 ・計量器検査等の検査料
 ・地域連携費
  H18年度 H22年度
認めている 48.4% 73.9%
認めていない 51.6% 26.1%
◆改善は見られないのではないか。
 ・認めている H18年度 48.4%
 ・認めている H22年度 73.9%
◇予想以上に資金前渡制度を認めている市町村が増えた。
4-④「メリット システム」を導入していますか
認めている 2 8.7%
次年度の予算配当で考慮 2 8.7%
検討中である 2 8.7%
検討していない 17 73.9%
◆比較的新しい制度なので,導入している自治体は少ないのではないか。
 ・認めている 8.7%
◇システム自体を知らない自治体がある可能性がある。
5-① 特色ある教育活動を行うための予算配当がありますか
ある 15 65.2%
ない 8 34.8%
  H18年度 H22年度
あり 29.0% 65.2%
なし 71.0% 34.8%
5-② 特色ある学校づくりの予算の配当方法
予算配当 10 66.7%
補助金 4 26.7%
現物支給 0 0.0%
その他 1 6.6%
・助成金として予算措置(市の予算)一括協議会に送金。協議会より各学校長名義口座に送金。
5-③ 特色ある学校づくりの予算の配当基準
学校規模による配当 5 33.3%
一律に配当 5 33.4%
その他 5 33.3%
・合併前からの事業の継続
・学校からの予算要求の内容により審査する
・事業内容の予算要求
・要求に基づく査定
・一律定額、プラス児童数割で配当
◆大きく変わってはいないだろう。
 ・予算配当がある H18年度 29.0%
 ・予算配当がある H22年度 65.2%
◇予算配当をしている市町村が大幅に増えている。
6-① 「学校徴収金ガイドライン」を規定していますか
ある 3 13.1%
ない 19 82.6%
作成中 1 4.3%
  H18年度 H22年度
あり 22.6% 13.1%
なし 77.4% 82.6%
作成中 0.0% 4.3%
◆学校徴収金にかかわる事故もあったため,増えているだろう。
 ・あり H18年度 22.6%
 ・あり H22年度 13.1%
◇増えてはおらず,逆に減少している。(2市町村で22年度調査で「なし」と回答。)
6-② 教育委員会として,公費・私費の負担区分を通知していますか
規定している 4 17.4%
検討中である 6 26.1%
検討もしていない 12 52.2%
その他 1 4.3%
・規定はしていないが、「都道府県教育長協議会「学校教育にかかる公費負担の適正化について」昭49.6」を目途に、負担するように指導している。
  H18年度 H22年度
規定している 3.2% 17.4%
検討中である 0.0% 26.1%
検討もしていない 96.8% 52.2%
その他 0.0% 0.0%
◆改善していないか,微増だろう。
 ・規定している H18年度  3.2%
 ・規定している H22年度 17.4%
◇予想よりも増えている。検討中も含めると5割に近い。負担区分の内容についても今後調査していきたい。
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